横浜地方裁判所 昭和54年(わ)357号 判決 1979年8月10日
事件名
所得税法違反
宣告日
昭和五四年八月一〇日
裁判所
横浜地方裁判所第四刑事部四係
裁判官
高信雅人
検察官
渋谷勇治
被告人
本籍
横須賀市三春町六丁目三一番地
住居
右同
職業
歯科医師
葛葉
大正一〇年七月一日生
主文
被告人を懲役一年及び罰金一八〇〇万円に処する。
被告人によって右罰金を完納出来ないときは一日を金五万円に換算して被告人を労役場に留置する。
この裁判確定の日から三年間右懲役刑の執行を猶予する。
事実
被告人は、横浜市戸塚区矢部町二五一番地(昭和五一年六月一日以前は同区矢部町二六〇番地)において、「葛葉歯科医院」(昭和五一年六月一日以前は瀬谷歯科医院)の名称で歯科医業を営むものであるが、自己の所得税を免れようと企て、自由診療収入の一部を除外して、簿外預金を設定したり、右事業に関係のない負債の返済に充当するなどの方法により所得を秘匿し
第一 昭和五〇年分の実際の所得金額が三三、二二九、五二五円あったのにかかわらず、同五一年三月一三日横浜市保土ケ谷区帷子町二丁目六四番地所在の所轄保土ケ谷税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が一二、七八一、四〇三円で、これに対する所得税額が二、四二一、二〇〇円である旨の虚偽の事実を記載した所得税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により同年分の正規の所得税額一三、一四〇、七〇〇円と右申告税額との差額一〇、七一九、五〇〇円を免れ
第二 同五一年分の実際の所得金額が五三、六七四、三八二円あったのにかかわらず、同五二年三月一四日前記保土ケ谷税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が八、四四三、七七八円で、これに対する所得税額が七〇四、九〇〇円である旨の虚偽の事実を記載した所得税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により同年分の正規の所得税額二六、〇三〇、四〇〇円と右申告税額との差額二五、三二五、五〇〇円を免れ
第三 同五二年分の実際の所得金額が六四、三一四、〇三七円あったのにかかわらず、同五三年三月四日前記保土ケ谷税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が一三、一一八、九〇一円で、これに対する所得税額が二、三一一、四〇〇円である旨の虚偽の事実を記載した所得税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により同年分の正規の所得税額三二、九一八、七〇〇円と右申告税額との差額三〇、六〇七、三〇〇円を免れ
たものである。
適条
所得税法二三八条、刑法二五条一項、一八条。
裁判所書記官 浅羽俊彦
(裁判官 高信雅人)